スマホゲームの台頭とメーカーの動き

1980年代に家庭用ゲーム機のブームが起こり、それから多くの据え置き機が発売されました。
機種ごとの人気に差はあっても、娯楽の中心的な存在であったのは間違いありません。
国民的なゲームタイトルも誕生し、発売日には大勢の人が列をつくってニュースになることも多かったです。
しかし、その勢力図が近年になって大きく変わってきました。
それはスマホゲームが台頭してきたからです。

スマホ普及でゲーム業界にも大きな変化が起こる

スマートフォンが一気に普及し始めたのは2010年以降であり、それに伴ってゲーム業界にも大きな変化が起こることになりました。
普通の携帯電話の頃からそれでプレイできるソフトはたくさんありましたが、専用機の脅威になるほどの存在だったわけではありません。
魅力的なタイトルもリリースされており、現在にもシリーズが引き継がれているものも見受けられます。
しかし、少なくとも当時はあくまでも携帯電話のおまけという位置づけだったのです。
しかし、スマートフォンが発売されてからはメインコンテンツとして君臨するようになりました。
通話やメールといった通信手段よりも、アプリで遊ぶ機会のほうが多いという人は珍しくありません。

モバイルバッテリーの需要が急激に高まっている

熱中して遊んでいると、すぐにバッテリーが切れてしまうという悩みが多く聞こえてきます。
実際、モバイルバッテリーの需要が急激に高まっており、外でプレイするときは手放せないという人も多いです。
いずれにせよ、おまけ的な存在でないのは確かであり、専用機の地位を脅かす存在になってきました。
それが顕著に分かる話として、メーカーの姿勢がシフトしているという事実があります。
これまで専用機向けにゲームを作ってきた会社が、スマートフォン向けのリリースに戦略を切り替えてきたのです。
専用機一本に絞って取り組んでいる会社はほとんどないのが実情です。
人気のシリーズもスマートフォン用のアプリとして出されることが多くなりました。

専用機用とスマートフォン用の決定的な違い

せっかく新作が発表されても、それが専用機向けでないと分かると落胆する人が少なくありません。
なぜなら、専用機用とスマートフォン用とでは決定的な違いがあるからです。
前者もダウンロードコンテンツを販売することが多いですが、それでも基本的に出費を伴うのは購入時だけとなっています。
それに対して後者は、基本プレイ自体は無料であることが一般的で、ゲームの中で課金する収益モデルになっています。
ですから、はまったタイトルがあると、永遠と出費を続けていくことになりねません。
もちろん一切お金を使わない無課金のスタイルを貫く人もいますし、わずかにだけお金を使う微課金と呼ばれる人たちもいます。
ランキングの上位などを狙わない限り、そのように出費を抑えることは難しくありません。

大半のゲームはオンライン形式で対戦や協力の要素を持っている

しかし、誘惑に負けて課金してしまう人が多いのも事実です。
なぜなら、大半のゲームはオンライン形式で対戦や協力の要素を持っているからです。
自分より有利な人と一緒にプレイすると、羨ましく感じて自分もお金を出す方向で考えやすくなります。
無課金の人たちが遊べるのは、課金している人のおかげだという意見も多いです。
たしかに全員がお金を使わない人であれば、運営している企業は収益をあげられません。
その結果、継続していくことが叶わなくてサービスを終了することになるでしょう。
実際にそのようなケースはこれまでたくさんありました。
そう言われると、無課金の人たちがプレイしても企業にはまったく得がないと感じるかもしれません。
しかし、実際は企業にとって重要な存在であることを理解しておきましょう。

企業が無課金者を無下にできない理由

課金者がプレイしていて優越感に浸れるのは、自分より劣っているプレイヤーがいるからです。
無課金者がいることで、差をつけるためにもっとお金を使おうとする意識が働きます。
その点を考慮すると、企業が無課金者を無下にできないことを理解できます。
この収益モデルが今後も続いていくのは間違いないでしょう。
同じリソースを使ってゲームを作っても、回収できる可能性が高いのはスマートフォン向けのほうです。
運営の費用が収益を下回らない限り、たとえ小規模でも続けていける可能性が残ります。
ただし、これから参入するのであれば、競争が激化している現実をしっかり把握しておかなければなりません。
個人事業主ですら自分で開発してリリースできるほど、誰でも簡単に参入できる業界になっています。

人気のあるタイトルを徹底的に分析する

ライバルが増え続けている事情があるため、コンテンツに十分な魅力がなければ今からユーザーを獲得するのは難しいです。
そこでポイントになるのは、人気のあるタイトルを徹底的に分析することです。
技術的な点はもちろんですが、うまく課金に誘導する心理学なども意識する必要があります。
いくつかチェックしているうちに共通点が見えてくるでしょう。
その共通点をできるだけ多く持つようなゲームを開発しましょう。
それだけの実力がないなら、クラウドソーシングを利用してプログラマーを募るのも一つの手です。